Nasal-plugs to prevent snoring and tinnitus

特開2010-17499

【発明の名称】 いびき及び耳鳴り防止用鼻栓

【要約】

【課題】
睡眠時には無意識に鼻呼吸を行うのでいびきが発生する。いびきは2次的に耳鳴りを発生させる。睡眠時の鼻呼吸をやめて、口呼吸に替えて気道を確保する必要がある。
【解決手段】
空気が鼻孔から進入も排出もできないように、気密性を重視したことを特徴とする、いびき及び耳鳴り防止用鼻栓を左右の鼻孔に挿入し、口呼吸で気道確保の調節をしたのち睡眠に入る。

【選択図】図1

鼻栓を示した平面図
鼻栓を示した平面図

特許詳細

【技術分野】
本発明は睡眠時のいびき及び耳鳴り発生を防止するための鼻栓に関する。

【背景技術】
従来、睡眠時にいびきを防ぐ方法として、まくらを工夫したものがある(例えば、特許文献1参照)。また、ベッドを工夫したものがある(例えば、特許文献 2参照)。また、いびきセンサーを用いて身体を横たえる姿勢を規制したものがある(例えば、特許文献3参照)。また、鼻呼吸補助器具を使用して鼻腔拡張をねらったものがある(例えば、特許文献4参照)。また、いびき抑制組成物を使用して鼻づまりを軽減したものがある(例えば、特許文献5参照)。また、マウスピースを使用して上気道の狭窄を緩和したものがある(例えば、特許文献6参照)。また、通気弁を設けたいびき防止用鼻栓で吸気を妨げたものがある(例えば、特許文献7参照)。
特許文献1 特開2007-244634号公報
特許文献2 特開2005-270627号公報
特許文献3 特開2006-020722号公報
特許文献4 特開2005-278959号公報
特許文献5 特開2005-185831号公報
特許文献6 特開2006-095245号公報
特許文献7 実登3059270号公報

【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
睡眠時、あおむきの姿勢をとると、舌根が落ち込んで上気道の狭窄を強めていびきをかく。横向きの姿勢では上気道の狭窄は緩和されていびきをかかない。
しかし、運動や飲酒をした後に睡眠をとると、横向きの姿勢を維持しようとしても時間の経過に伴って、身体の向きは楽な姿勢や安定性を求めて寝返りをうち、結局、あおむきの姿勢に至るのが普通である。
就寝時に身体を横たえると、リンパ液が重力の影響を受けて鼻腔に押し寄せてくるので、粘膜は膨潤し鼻づまりになりやすい。鼻づまりになると上気道は狭くなり、空気との摩擦抵抗や振動は増し、更にいびきをかきやすくなる。
これらは上気道に充分な通気量が確保されないことと、笛の原理によるものである。
睡眠時の標準的な呼吸方法としては鼻呼吸が自然であり、いびきは呼気時の場合と吸気時の場合に分けることができる。どちらも無意識の状態では気道の確保が難しいのでいびき発生につながる。
呼気・吸気、往復のいびきをかくとその境界で上気道は閉そくし、しばしば呼吸が止まることがある。いわゆる睡眠時無呼吸症であり、慢性的な睡眠不足を来し居眠り運転などで重大な問題を引き起こすことが分かっている。
睡眠時にいびきをかくと、目覚めた時にせみの群れが鳴くような、あるいは高い金属音の耳鳴りが発生することがあり更に問題となる。
鼻呼吸をやめて口呼吸に切り替えれば、あらかじめ気道の確保が可能であり、その状態を保持して睡眠に入ればいびきは発生しないことが実験により明らかになった。しかしながら、睡眠時の無意識状態では口呼吸を継続的に維持することが難しい。

【課題を解決するための手段】
空気が鼻孔から進入も排出もできないように、気密性を重視したことを特徴とする、いびき及び耳鳴り防止用鼻栓2個を準備した。鼻栓本体はゴム、合成樹脂、天然繊維、木材、金属のうち1種類又は2種類以上を素材として成型加工する。鼻栓を左右の鼻孔に挿入して鼻呼吸を遮断し、口呼吸のみで気道確保をしてから睡眠に入ることによって課題を解決した。

【発明の効果】
鼻呼吸が遮断されると口呼吸が必然となる。睡眠に入る前にあらかじめ上気道周辺に空気の摩擦抵抗や振動が起こらないように気道設定して、その状態を睡眠時にも維持することができ、いびき発生のない睡眠が確保される効果は大きい。
2次的効果として本人の目覚めた後の耳鳴りも解消できるので、いびき防止の効果は更に高まる。
この鼻栓使用によって、いびき発生機構の理解や自覚、いびき防止のトレーニングを促す効果が期待できる。さらに耳鳴り発生機構の解明にも寄与する画期的な研究成果である。

【発明を実施するための最良の形態】
【実施例1】空気が鼻孔から進入も排出もできないように、気密性を重視したことを特徴とする、人差し指形状に成型加工した脱脂綿とシリコーンゴム複層、いびき及び耳鳴り防止用鼻栓2個を準備した。鼻栓を左右の鼻孔に挿入し、口の中の乾燥を和らげるためにマスクをかけて睡眠をとった。
目覚めた後、鼻栓を容易に取りはずすことができた。身体の向きや姿勢にかかわらず、継続的にいびきが発生しなかったことを確認した。
せみが鳴くような、あるいは高い金属音の耳鳴りは発生しなかった。口の中の乾燥状態は我慢できる範囲内であった。

【産業上の利用可能性】
安価で、安全で取り扱いが容易であり、利用可能性は大きい。

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